見えてくる保険設計のアウトライン(基礎編総まとめ)

保険知識の基礎編10項目もいよいよラスト。第二章の実践編に向けこれまで取り上げてきたことを、わかりやすくまとめてみましょう。

死亡保険金、と支払い保険料だけに注目しない! 

 生命保険と言えば誰もが最初に思い浮かべるのが死亡保険金の金額です。また、日々の生活を考えれば、保険料がある程度限定されてしまうのもしかたのないことでしょう。これらたった二つの要素から保険の設計を行い、自分に本当合った保険の選べていない人が実に多いように感じます。保険には様々な種類や機能があり、死亡保障はあくまで保険の一部。それだけに目を奪われるのではなく、総合的な保険設計に目を向けましょう!

親戚・知人の紹介でも「お任せ」にしない

 生命保険の募集人は実はあなたからの質問を待っています。お任せにしてしまうと、保険会社や募集人に有利なマージンの商品ばかりで構成される保険に設計されても文句は言えません。それはたとえ親族や知人から紹介でも同じこと。

死亡保障が大事なのか、疾病時の治療費に重点を置きたいのか、それともできるだけ貯蓄性の高い保険にしたいのか。あなたが何を本当は一番大切に考えているかは募集人からはそう簡単にわかるものではないのです。

保険が本当にマッチしているかを判断できるのは、最終的にはあなた自身。自らの人生設計をしっかり募集人に相談し、じっくり話し合いながら保険設計を進めていきましょう。

国民年金と厚生年金で違う生活資金

 老後の生活資金や、万が一家族の大黒柱が亡くなったり、障害が残ってしまった場合など、生活資金の想定は保険を検討する上で、とても重要な要素です。実際に計算してみると驚くほど違う国民年金と厚生年金の年金額。これらの年金制度は職業によって決まっています。

保険に入る際はこれら年金の種類や、将来の受給額などをよく検討して計算する必要があります。また、意外に知られていない公的年金の死亡保険、障害保険的な機能(遺族年金や障害年金)にもぜひ注目しておきましょう。

高額療養費制度など公的医療保険制度にも注目!

 ガン、脳梗塞、心臓病、あるいは交通事故などの災害。疾病や傷害は誰にとっても怖いものです。しかし、保険設計をする上でまず知っておかなければならないのは、公的医療保険(健康保険)でどこまでできるのかということ。

とかく問題部分をクローズアップされる日本の医療制度ですが、高い医療技術をすべての人が分け隔てなく享受できたり、公的医療保険制度によって国民のすべてが守られているなど、実は良いところもたくさんあるのです。

 生命保険と合わせて考える際、特に注目してほしいのが高額療養費制度です。様々な病気や怪我で自分が入院した場合、どれぐらいの費用が実際に必要になるのか。高額なガンの入院治療費などを聞いただけで、月々の支払いで大きな負担となる医療保険の設計をしてしまっては本末転倒です。

実際に入院時に必要になるのは、医療費自体よりも差額ベッド代や、家族の付き添いのための交通費など周辺の費用です。また働き手が入院した場合は、本来あるべき収入に関しても補填が必要になります。

 以上がおよそ第一章で述べた内容です。年金など複雑な部分もありましたが、まだ保険の商品そのものに入っていないことに気づきましたか?ここまではあくまで保険の話に入る前の前段階で必要な知識です。

今の段階では、まだ、直接保険とは重ならないように感じる記事もあるかもしれませんが、この先保険の具体的な種類を紹介していく中で、きっと、役立つ部分があります。「そう言えばこんなことが書いてあった」なんて思い出しながら、第二章をじっくり研究してみたください。