生保商品研究Part.2 養老保険

 定期保険や終身保険が死亡保険であることはこれまでに解説してきましたが、保険には満期時に生存していることを前提に保険金が支払われる生存保険があります。その代表的なものがこの養老保険です。養老保険のスタイルは定期保険や終身保険よりもさらにシンプル。図にするとこんな感じです。

 養老保険の特徴は満期時に死亡保険金と同じ金額の満期保険金が支払われることです。

例えば500万円の保険金の養老保険ならば、加入後、保険期間内に万一死亡すると500万円の死亡保険が支払われます。また、満期まで生存した場合も500万円の満期保険金が受け取れます。死亡しても生存しても保険金が支払われますので、保険料のロスは全くありません。

 保険会社によって予定利率が違いますのであくまで参考ですが、例として30歳の方が500万円の養老保険に加入した場合の保険料をご紹介しましょう。60歳満期、月払いで設定すると月額保険料は1万2485円という数字が出てきます。

そして60歳払込時の総支払額は449万4600円。予定利率によって、満期保険金は保険料累計よりも50万円以上多くなっている計算です。

それではさらに40歳からスタートした場合どうなるかの数字も見ておきましょう。月額保険料は2万170円、満期時の累計保険料は484万800円となり30歳からはじめるほどにはうま味がありませんが、これでもしっかり利率を稼いでいる計算です。

 金利は動きますが、一度契約した保険の予定利率は動きません。養老保険や終身保険の場合、この予定利率が銀行での預金などより上回る場合が多く、しかも下がる心配がないので貯蓄性の高い金融商品として有効に活用されているのです。またもちろんの険期間には死亡保障がありますので、本来の生命保険としての機能も考えれば、保険料は高いですが、メリットの多い商品ということができるでしょう。

 また養老保険や終身保険には、さらに利率的に有利な一時払い保険があります。まとまった資金を5年、10年、20年と確保しておけるなら、この一時払い養老保険のメリットが大きいです。養老保険を組む場合はこのように予定利率がポイント。その会社の安定性もよく検討しながら、予定利率の有利な商品を探すことが大切です。

生保キーワード辞典

【保険料と保険金】

 既に頻出になってしまっていますが、あらためて確認。「保険料」とは、契約者側が保険会社に支払うお金で、「保険金」が保険会社から保険金受取人に支払われるお金です。書類上でもしっかりかき分けられていますので、この二つを混同しないように注意してください、

※ イラスト挿入

【保険契約者と被保険者と保険金受取人】

 保険の証券に登場するのは通常この3人です。保険契約者が保険の契約を行い、保険料の支払い義務のある人。被保険者はその保険の対象者で、その人が死亡したり、病気や怪我などになった際に保険金が支払われます。

保険の条件となる年齢や、健康状態、職業等も被保険者で考えます。保険金受取人はその名の通り、保険金の支払いを受ける人となります。例えばAさん自身が保険に入って奥さんを保険金受取人にした場合、保険契約者=Aさん、被保険者=Aさん、保険金受取人=奥さんとなります。

医療保険や生存保険の場合はこの3つがすべて同一の人である場合ももちろんあります。並べてしまえば簡単なのですが、慣れていても混乱することがありますので、この3つの立場があることをよく覚えておいてください。

【保険者】

 保険契約者と被保険者、保険受取人を覚えたらついでにこの保険者という言い方も覚えておきましょう。保険者とは契約対象となっている危険を引き受け、保険契約者から保険料を集め、保険事故が発生した場合保険金の支払い義務を負う者で、具体的には生命保険各社を指します。